IP規格とは|防塵・防水等級の見方と一覧をわかりやすく解説

目次
製品の仕様欄で「IP67」や「IP65」といった表記を見かけたことはありませんか。 スマートフォンや屋外の機器、LEDビジョンなどに、よく記されている記号です。
これはIP規格と呼ばれるもので、機器がほこりや水にどれだけ強いかを示す国際的な保護等級です。 意味を知らないまま製品を選ぶと、「屋外に置いたらすぐ壊れた」「思ったより水に弱かった」という失敗につながりかねません。
この記事では、IP規格の意味と数字の見方、防塵・防水それぞれの等級一覧、よく似た表記との違い、そして用途に合った等級の選び方までをわかりやすく解説します。 読み終えるころには、「IP67」が何を意味するかを自分で読み解けるようになっているはずです。
IP規格(IPコード)とは

まずは、IP規格がそもそも何を表すものなのかを押さえましょう。 言葉の成り立ちを知ると、数字の意味もすっと理解できます。
IP(International Protection)の意味とIEC・JISの位置づけ
IPとは、**International Protection(インターナショナル・プロテクション)**の略です。 機器の保護性能を表すための国際的なものさしとして、**国際電気標準会議(IEC)**によって定められました。
この規格の大元になっているのが、IEC 60529という国際規格です。 日本では、これをもとにしたJIS規格が定められ、長く「JIS C 0920」として使われてきました。 そして2026年には、国際規格と整合した「JIS C 60529」へと約20年ぶりに刷新され、規格番号も国際規格にそろえられました。
要するにIP規格とは、機器を覆う外郭(筐体)が、外からの影響をどれだけ防げるかを等級で示したものです。 この等級を製品に表記するには、規格で決められた試験条件に適合する必要があります。 だからこそ、IPの数字は製品選びの信頼できる目安になります。
IP規格の数字の見方と構成

つぎに、いちばん知りたい「数字の読み方」を見ていきましょう。 ここを理解すれば、製品の表記を自分で読み解けるようになります。
第一特性数字(防塵)・第二特性数字(防水)の基本
IP規格は、「IP」に続く2つの数字で表されます。 1つめの数字が防塵性能、2つめの数字が防水性能を示します。
たとえば「IP67」なら、6が防塵、7が防水の等級です。 それぞれの数字は大きいほど性能が高く、ほこりや水に強いことを意味します。
| 位置 | 名称 | 表すもの | 等級の範囲 |
|---|---|---|---|
| 1つめ | 第一特性数字 | 防塵性能(外来固形物・人体の保護) | 0〜6 |
| 2つめ | 第二特性数字 | 防水性能(水の浸入の保護) | 0〜8(IECでは9も) |
第一特性数字には、もうひとつ大切な意味があります。 それは、指や工具などが危険な部分に触れないように保護するという、人体側の安全性です。 ほこりの侵入を防ぐと同時に、感電などの危険からも守っているわけです。
付加文字・「X」表記の意味
IP規格には、2つの数字のほかに**付加特性文字(A〜D)と補助文字(H・M・S・W)**を加えられます。 これらは省略できるオプションで、特定の条件での保護を補足的に示すものです。 たとえば付加特性文字のDは、針金のような細い物の接近に対する保護を表します。
表記でとくに注意したいのが、「X」と「0」のちがいです。 この2つは見た目が似ていますが、意味はまったく異なります。
- X:その項目の**試験をしていない(数字を省略した)**ことを示す。保護が「ない」という意味ではない
- 0:無保護であることを示す。保護がないことをはっきり表す
たとえば「IPX4」は、防塵の試験はしていないが、防水は等級4という意味です。 「防塵性能がゼロ」ではない点に注意してください。 この区別を知っておくと、製品表記の誤読を防げます。
防塵性能の等級一覧(第一特性数字)
ここからは、防塵性能を表す第一特性数字(0〜6)の一覧です。 数字が大きいほど、細かいほこりまで防げると考えてください。
| 等級 | 要約 | 内容 |
|---|---|---|
| 0 | 無保護 | 保護なし |
| 1 | 直径50mm以上の固形物から保護 | 手の甲が触れない程度 |
| 2 | 直径12.5mm以上の固形物から保護 | 指が触れない程度 |
| 3 | 直径2.5mm以上の固形物から保護 | 工具の先が入らない程度 |
| 4 | 直径1.0mm以上の固形物から保護 | 針金が入らない程度 |
| 5 | 防塵形 | ほこりの侵入を完全には防げないが、動作に支障が出る量は入らない |
| 6 | 耐塵形 | ほこりの侵入が一切ない(完全防塵) |
実務でよく使われるのは、5(防塵形)と6(耐塵形)です。 工場や屋外などほこりの多い環境では、5以上が目安になります。 「砂や粉じんが舞う現場で使うなら6」というように、環境に合わせて選びましょう。
防水性能の等級一覧(第二特性数字)
つづいて、防水性能を表す第二特性数字(0〜8、IECでは9も)の一覧です。 こちらも数字が大きいほど、強い水に耐えられます。
| 等級 | 要約 | 内容 |
|---|---|---|
| 0 | 無保護 | 保護なし |
| 1 | 鉛直に落ちる水滴から保護 | 真上からのしずく |
| 2 | 15度以内の傾斜でも水滴から保護 | やや傾いた状態のしずく |
| 3 | 散水から保護 | 鉛直から60度までの範囲の噴霧 |
| 4 | 飛まつから保護 | あらゆる方向からの水しぶき |
| 5 | 噴流から保護 | あらゆる方向からのノズル噴流水 |
| 6 | 暴噴流から保護 | あらゆる方向からの強い噴流水 |
| 7 | 一時的な水没から保護 | 規定の圧力・時間で水中に沈めても浸水しない |
| 8 | 継続的な水没から保護 | 7より厳しい条件で水中に沈めても浸水しない |
なお、**等級9(高圧・高温の水噴流に耐える)**は、もともとIEC 60529で規定されていたものです。 2026年に刷新された最新のJIS(JIS C 60529)にも導入され、食品工場の洗浄など過酷な環境を想定した特殊な等級として位置づけられています。 屋外で雨にさらされる機器なら、5や6が現実的な目安です。 水没を想定するなら7以上、というように使う場面で選び分けます。
IP規格の具体例で見る読み解き方
数字の意味がわかったところで、実際の表記を読み解いてみましょう。 具体例で見ると、理解が一気に深まります。
IP67・IPX3・IP3Xなどの読み方
代表的な表記を、ひとつずつ分解してみます。
- IP67:防塵は6(完全防塵)、防水は7(一時的な水没に耐える)。ほこりを完全に防ぎ、短時間の水没にも耐える高い保護性能
- IP65:防塵は6(完全防塵)、防水は5(噴流水に耐える)。屋外設置でよく選ばれるバランスのよい等級
- IPX3:防塵は試験なし(X)、防水は3(散水に耐える)。防水性能だけを示したい家電などで使われる
- IP3X:防塵は3(直径2.5mm以上の固形物を防ぐ)、防水は試験なし(X)。防塵性能だけを示すケース
このように、2つの数字を分けて読むのが基本です。 片方が「X」のときは、その性能を試験していないだけで、無保護とは限りません。 「IP67」のように両方に数字があるものは、防塵・防水の両面で保証されていると読み取れます。
ひとつ注意したいのは、第一特性数字と第二特性数字は、それぞれ独立した試験だという点です。 そのため、IP67はIP65の「上位」ではありません。 IP65は噴流水に耐える試験、IP67は水没に耐える試験で、確かめている内容そのものが違うからです。 噴流水と水没の両方に備えたい場合は、「IP65/IP67」のように両方が併記された製品を選ぶ必要があります。
▶ LEDビジョンの購入とレンタルをご検討のお客様は、こちらからお問い合わせください。 用途に合ったIP等級の製品選びも、お気軽にご相談いただけます。 👉 お問い合わせはこちら
よく混同される表記との違い

IP規格と似た言葉や規格は、いくつもあります。 混同したまま製品を選ぶと判断を誤るので、ちがいを整理しておきましょう。
防水・防滴・耐水、WP(風雨等級)との違い
「防水」「防滴」「耐水」といった言葉は、日常でよく使われます。 ですが、これらはメーカーが独自に使う表現で、明確な統一基準があるわけではありません。 同じ「防水」でも、製品によって実際の性能は大きく異なります。
その点、IP規格は試験条件と等級が明確です。 だからこそ、性能を客観的に比べる物差しとして信頼できます。 「防水と書いてあるから安心」ではなく、IPの数字で確かめるのが正しい選び方です。
似た規格として、WPコード(風雨等級)もあります。 これは、IP試験では評価しきれない「風」と「雨」の複合条件を評価するために、ある企業が独自に定めた基準です。 公的な国際規格であるIPとは性質が異なるため、両者を同じものと考えないよう注意してください。
参考までに、北米ではNEMA規格という別の基準も使われます。 NEMAは防塵・防水に加えて耐衝撃性や耐腐食性まで含むため、評価の範囲がIPとは異なります。 海外向けの製品では、こうした規格の違いも確認しておくと安心です。
用途別に見るIP等級の選び方
最後に、いちばん実用的な「どの等級を選べばよいか」を見ていきましょう。 高い等級ほど良いとは限らず、使う場所に合った等級を選ぶことが大切です。
屋内・屋外・水回りの目安
使用環境ごとの、おおよその目安をまとめました。
| 使用環境 | 推奨等級の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 屋内(家庭・オフィス) | IP20以上 | ほこりや水の侵入リスクが低い |
| 屋外(雨や風を受ける場所) | IP55以上 | 雨に対する防水対策が必要 |
| 工場・倉庫(粉じんが多い) | IP65以上 | ほこりの侵入を強く防ぐ必要がある |
| 水中での使用 | IP68 | 完全防水と水没への耐性が必要 |
たとえば、屋外の監視カメラなら雨風にさらされるため、IP66前後が望ましいといえます。 スマートフォンは、日常の水濡れに備えてIP67が選ばれることが多いです。 このように、過剰な等級を求めず、環境に合った性能を選ぶのが、コストとのバランスもよい考え方です。
屋外LEDビジョンで重視すべき等級
屋外に設置するLEDビジョンやデジタルサイネージでは、IP等級がとくに重要になります。 雨・直射日光・砂ぼこりといった、過酷な環境にさらされ続けるからです。
屋外用のLEDビジョンでは、正面(表示面)はIP65以上が一つの目安とされます。 完全防塵に近く、噴流水にも耐えるため、屋外の雨や清掃の水にも対応しやすいからです。 あわせて、背面や筐体まわりの防水・防塵がどの等級かも確認すると、より安心です。
選ぶときは、設置場所の環境を具体的に思い描いてください。 「軒下なのか、完全な雨ざらしなのか」「海沿いで塩害があるか」によって、必要な等級は変わります。 用途に合ったIP等級の製品を選ぶことが、長く安定して使うための近道です。
▶ 防水性能の優れたLEDビジョンをお探しのお客様は、屋外用LEDビジョンページをご覧ください。 屋外の設置環境に適した、防塵・防水性能の高い製品をご紹介しています。 👉 屋外用LEDビジョンを見る
まとめ:IP規格を理解して適切な機器を選ぼう
ここまで、IP規格の意味と数字の見方、防塵・防水の等級一覧、選び方までを見てきました。 IP規格は、機器の防塵・防水性能を客観的に示す国際的なものさしです。
ポイントを振り返ると、**1つめの数字が防塵(0〜6)、2つめの数字が防水(0〜8)**を表し、数字が大きいほど性能が高いということでした。 「X」は未試験、「0」は無保護というちがいや、「防水」という言葉だけでは性能を判断できないことも、押さえておきたい要点です。 そして何より、高い等級ほど良いのではなく、使う環境に合った等級を選ぶことが大切でした。
IP規格を正しく理解すれば、製品選びの失敗を防ぎ、機器を長く安全に使えるようになります。 屋外でのLEDビジョン導入をお考えなら、設置環境に合ったIP等級をぜひ確認してみてください。 適切な一台を選ぶことが、安心で効果的な活用への第一歩になります。
デジタルサイネージ・LEDビジョンなら『LED NAGOYA』
LED NAGOYAは、全国300社以上との取引実績を持つデジタルサイネージとLEDビジョンの専門企業です。 設置・映像制作・運用・保守までワンストップ対応し、北海道から沖縄まで全国サポートしています。
圧倒的コストパフォーマンスと業界No.1の超スピード対応を強みとし、最適なソリューションをスピーディーにご提案。 屋外用・屋内用・透過型・シェルフ型など、幅広いLEDビジョン製品を取り扱っています。
レンタルサービスも最短1日から利用可能。 短期イベントから常設設置まで、柔軟にご対応いたします。
デジタルサイネージの導入なら、豊富な実績と高品質なサポートのLED NAGOYAにお任せください。










